ガリガリで悩んでいる男女がピーナッツバターで健康的に太りたいと考えている人もいるかもしれません。

ここでは、ピーナッツバターは健康的に太れるのかどうかを成分を踏まえて紹介したいと思います。
目次
ピーナッツバターは健康的に太れる?太れない?成分も紹介!
というのもピーナッツバターはエネルギー量は高いものの、そのエネルギー構成の大部分は脂質に依存しているため「健康的に」太るという観点から見るとピーナッツバターのみで健康的に太る、という事は難しいと考えます。

以下、エネルギー、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン・ミネラル、消化吸収力を紹介しています。
エネルギー量
ピーナッツバターは100gあたり599kcalのエネルギー量を含有しています。ピーナッツバターの食べ方として食パンに塗って食べる人が多いのではないでしょうか?
1枚の食パンに約大さじ2杯程度(約24g)のピーナッツバターを塗った際のエネルギー量は143kcalです。同じく食パンに塗って食べるものの代表格、いちごジャムと比較してみましょう。いちごジャム(高糖度)を食パンに約大さじ2杯程度(約42g)塗った場合は108kcalです。

ピーナッツバターのほうがエネルギー量が多いことが分かりますね。
たんぱく質
ピーナッツバターは100gあたり20.6gのたんぱく質を含有しています。日本人の食事摂取基準より、一日のたんぱく質摂取推奨量は18~64歳の男性は65g、18歳以上の女性は50gとなっています。
ピーナッツバター一回の使用量約24gのたんぱく質量は4.9gです。いちごジャム(高糖度)の一回の使用量42gのたんぱく質量は約0.2gです。いちごジャム(高糖度)と比べるとたんぱく質含有量は高いことが分かりますね。
しかし、ピーナッツバターのみで一日のたんぱく質摂取推奨量を補おうとすると約250~300g以上のピーナッツバターを摂取しなければいけません。

食パン1枚あたり約24gのピーナッツバターを塗るとすると現実的な数字ではないことが分かりますね。
糖質(炭水化物)
少し余談ですが、よく耳にする糖質とは何か?食品のパッケージに記載されている成分表示にある「炭水化物」=「糖質」と考えて頂いて大丈夫です。
さて、ピーナッツバターの糖質(炭水化物)は100gあたり24.9gが含有されています。いちごジャム(高糖度)の糖質(炭水化物)は100gあたり63.3gです。

いちごジャム(高糖度)と比較すると糖質は約1/3と低いです。
脂質
まず初めにピーナッツバター100gのエネルギー量は599kcalでした。それではそのうち何kcalが脂質由来なのか、見ていきましょう。
脂質のエネルギー量は1gあたり9kcalです。ピーナッツバター100gあたり50.4gの脂質が含有されていますので「9kcal×50.4g=453.6kcal」が脂質由来のエネルギー量になります。

ピーナッツバターの75%のエネルギーは脂質由来であるということが分かりましたね。
ビタミン・ミネラル
ビタミンEはさらにα-トコフェロール、γ-トコフェロールなど分子構造の違いから数種類に細分化されるのですが、ピーナッツバターに含有されるビタミンEはヒトでは最も強い活性を持ったα-トコフェロールが100g中に4.8mg含有されています。
このα-トコフェロール、通称ビタミンEは抗酸化物質であり呼吸によって生じた活性酸素を不活性化する働きがあります。活性酸素は体内の免疫機能や感染防御の重要な役割を担う一方、過剰な産生は細胞を障害し、シミ・しわといった美容の老化、がんや心血管疾患などの体内の老化にも関わっています。

紫外線やたばこ、薬剤、過度な運動やストレスによって活性酸素は過剰に産生されやすくなります。ビタミンEは現代社会を生き抜く大人にとって積極的にとりたいビタミンである、と言えますよ。
消化吸収の良さ
脂質はたんぱく質、炭水化物のなかで最も消化吸収が遅い物質です。
脂質にも中鎖脂肪酸、単鎖脂肪酸など構造式の違いによって種類があり、その種類によって消化吸収の時間は異なるのですが、たんぱく質・炭水化物と比較するとやはりどれも消化吸収は遅いです。

よってピーナッツバターは消化吸収が遅い、ということが言えます。
ピーナッツバターは健康的に太れるのか否かの結論とその理由
脂質の含有率が高いため、消化吸収が遅く、過度に摂取してしまうと消化管に負担がかかります。特に病気をした後の方や虚弱体質の方は消化管が弱い方が多いので摂取しすぎには気を付けましょう。
また、消化管に自信がありたくさん食べることができる方にもピーナッツバターだけを大量に摂取することはおすすめしません。
100gあたり599kcalと少ない量でエネルギーが高いので「健康的に」太れるかという点で疑問があります。ヒトの体脂肪は1kg増やすのに7200kcalが必要だと言われています。この7200kcalというのは基礎代謝分のエネルギーや活動に消費したエネルギーを引いて過剰になった7200kcalです。

体脂肪ばかりが増えてしまうとあらゆる生活習慣病の起因となる恐れがありますよ。
まとめ
ピーナッツバターはたんぱく質・ビタミンEが多いという魅力がある一方で少量でエネルギー量が高いことから過剰摂取では肥満を引き起こしがちな食品であると考えます。
加工食品はこういった問題を抱えがちな傾向にあります。もし、健康的に太る為にピーナッツバターのたんぱく質・ビタミンEが魅力的だなと感じたら原材料であるピーナッツに目を向けて見るのも一つの手ですよ。出来れば国産で殻付きの新鮮なものを選びましょう。
ピーナッツやアーモンドで健康的に太れるかどうかについては別記事で紹介していますのでよかったら合わせてご覧ください。
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