結論から申し上げますと健康的に太りたい人にとってゼリーはおすすめの食材とは言えません。
ゼリーと一口に言いましてもたくさんのメーカーから様々なタイプのゼリーが発売されており一概にこちらで「ゼリー」という区分でお話できないのが現状です。

今回は食品成分表八訂に乗っ取って、比較的コンビニエンスストアやスーパーで手に入りやすいオレンジゼリーを例にお話を進めていきたいと思います。
目次
ゼリー(オレンジゼリー)は健康的に太れる?成分は?

一般的なゼリーの1つである「オレンジゼリー」を例に挙げて紹介しています。
エネルギー
コンビニエンスストアやスーパーで売っている比較的たっぷり食べられるサイズのゼリーは約200g~250gぐらいのものが多いです。
そのゼリー一個あたりのエネルギー量は160kcal~200kcal前後のものが多くなると思います。

牛乳や生クリームを使用した杏仁豆腐やプリンと比較するとフルーツ主体のゼリーは脂肪分が低い分同じ重量でもエネルギー量は低くなる傾向にあります。
たんぱく質
ゼリーに含まれるたんぱく質は主に凝固に用いられるゼラチン由来のものが主体です。
ゼラチンは動物性たんぱく質で各種メーカーにより原材料は様々ですが、主に豚の皮を原材料に精製されています。ゼラチンはたんぱく質単体で脂肪と遊離されているために、肉や魚といったたんぱく質主体の食品と比べると消化吸収は早いです。
しかし、ゼリーに含まれるたんぱく質量、という観点で見るとコンビニエンスストアやスーパーで売っている比較的大きいサイズのゼリーが200g~250g程度と考えますと一個あたり約4.2g~5.3g程度です。

たんぱく質の推奨量は成人女性で50g、成人男性で65g(日本人の食事摂取基準より)となっており、ゼリーのみからたんぱく質量を補おうとすると10個以上食べなければいけないことになり、現実的ではありません。
糖質(炭水化物)
ゼリーに含まれる糖質(炭水化物)は主に果汁由来の果糖(フルクトース)や甘味をつけるために添加されるブドウ糖(グルコース)です。
フルクトースやグルコースといった単糖類は消化吸収が早い、という特性を持つがゆえに血糖値を上昇させやすい物質です。
血糖値が急激に上がりやすい食事を行うと血糖値が上がった後、インスリンの放出により急激な血糖値の低下を招くダンピング症候群になり、一時的な倦怠感、眠気を感じて仕事のパフォーマンスが低下しやすくなります。

また、血糖値の激しい上がり下がりはインスリンを放出する膵臓の疲弊を招き、二型糖尿病の原因となります。
脂質
オレンジゼリーの原材料は果汁、ゼラチン、砂糖ですので脂質はほとんど含まれていません。
病態栄養を取り扱っている食品メーカーさんなどからは脂質も含まれた高エネルギーゼリーなども販売されていますので興味のある方は調べてみるのもいいかもしれません。
ビタミン・ミネラル
オレンジゼリーの原材料であるオレンジ由来のビタミンCは残念ながら水溶性ビタミンで熱に弱いという特性を持っているため、ゼリーを作る過程の加熱処理で大部分が失われてしまいます。

また、その他の特筆すべきビタミン・ミネラル類はありません。
消化吸収の良さ
エネルギーの構成が炭水化物に依存しており、単糖類を多く含むため消化吸収されやすいという特性をもつ一方で血糖値が急激にあがりやすい。という側面を持っています。
健康的に太れるのか否かの結論とその理由
以上の理由から、オレンジゼリーは健康的に太るための食材としては不適切であると考えます。
まとめ
オレンジゼリーはあくまでも嗜好品という位置づけでとらえていただきたいなとおもいます。
菓子類をはじめとする嗜好品は食べすぎはもちろん身体の健康に良くありませんが、お友達とおしゃべりしながら食べるお菓子としては油を使用したスナック類などと比べればよいとも言えますよ。
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